ヘディングをすると、頭が悪くなるって本当!?

ヘディングをすると、頭が悪くなるって本当!?

このエントリーをはてなブックマークに追加
Large rectangle 1448782898 article imasia 1767397 m

「ヘディングすると頭が悪くなるよ!」

少年サッカーにおいて、時に言われる言葉です。以前にご紹介した「幼少期にサッカーやフットサルをやりすぎると、筋肉が付いて成長が遅くなるって本当ですか?」のように、迷信の可能性もありますので、今回はヘディングによる身体への影響に迫ってみたいと思います。

まず、ヘディングをすることと頭が悪くなることがなぜイコールになるのかを考えます。これは、「ヘディング→頭に大きな衝撃→脳細胞が死ぬ→頭が悪くなる」というように考えたからでしょう。科学に基づいていないにも関わらず、「これだけ大きな衝撃があれば何か悪いことがあるだろう」という思い込みから生まれたものであると考えられます。

さて、実際はどうなのでしょうか。「脳細胞が死ぬ」ところから考えてみます。頭に衝撃を与えると、脳細胞が死ぬというのは事実のようです。しかし、どれほどの衝撃で、どれだけの脳細胞が死ぬかまでは分かっていません。

脳には莫大な数の細胞が存在し、大脳だけで140億個いると言われています。更に、脳細胞は何もしなくても細胞の新陳代謝(一部の細胞が死に、それと同等数の細胞が生まれる)を繰り返しているので、「脳細胞が死ぬ」ことは身体にとって特別に異常な事ではないのです。そのため、脳細胞が死んでしまうことを、必要以上に意識する必要は無さそうです。

本当に頭が悪くなるでしょうか

Semilarge rectangle 1448782898 article imasia 10297674 xl

次に、「頭が悪くなる」について考えてみます。脳は未だに未知の部分が大きいので、ヘディングによる衝撃で頭が悪くなることについて因果関係を見つけるのは難しいです。また、脳は部位によって役割が様々です。衝撃で一部の脳細胞が死んだとしても、IQや論理を司る部位の脳細胞が死に且つ支障を受ける状態までいくかというと、可能性は低いと言えそうです。

このように考えると、「ヘディング→頭に大きな衝撃→脳細胞が死ぬ→頭が悪くなる」は、科学的に解明をされていないため、間違っているとは断定できないものの、迷信に近いものと認識しても大丈夫そうです。しかし、「頭が悪くなる」わけではないかもしれませんが、何かしら影響が身体出る可能性はあります。

過去にヘディングによる事故などは起きているか

Semilarge rectangle 1448782898 article imasia 8042296 xl

以下のような事例があります。

----------------------------------------------

「ニューヨーク・タイムズ紙は今年2月、頭部への度重なる衝撃による慢性外傷性脳症(CTE)を患い、29歳で亡くなったパトリック・グレンジについて報じた。CTEはアメフトやボクシングの選手に多い疾患で、サッカー選手で確認されたのはグレンジが初。彼は大学サッカーやセミプロリーグの選手として活躍したが、ALS(筋萎縮性側索硬化症)のような症状が進行して12年に死亡した。ヘディングと彼の病状の因果関係は明らかでないが、彼がヘディングを繰り返し、この病気を発症した点は注目に値する」と、グレンジの脳を調べたボストン大学の神経病理学者アン・マッキーは言う...」

出典:ヘディングが子供の脳を壊す?(NEWSWEEK)

----------------------------------------------

「アメリカサッカー連盟(USSF)は、10歳以下の選手のヘディングを禁止することを定めた新たなガイドラインを発表した。さらに11歳から13歳までの選手のヘディング練習の時間を制限する項目も定められている...」

出典:0歳まではヘディング禁止!アメリカで斬新な規定が設けられる(ゲキサカ)

----------------------------------------------

このように、昨今はヘディングに関する脅威が伝えられるようになってきました。保護者としては、大変危惧することと思います。

しかし、語弊を恐れずに言えば、どんなスポーツでもリスクは存在します。代表的なのはラグビーやボクシング、柔道、空手などサッカー以上にボディコンタクトが激しいスポーツです。それらは、衝撃が加わる部位がサッカーとは違うものの、身体に大きなダメージを残します。サッカーのヘディングが禁止されれば、それらのスポーツも存在が危うくなりかねません。つまり、身体への影響を極度に気にし過ぎるとスポーツの選択そのものが大変難しいものになってしまいます。

スポーツは人生に素晴らしいハリを与えてくれます。子供にとっては、貴重な人生教訓も得られます。身体への影響を危惧して、スポーツを選ぶのではなく、どのように関わるのかを考えるだけでも違うのではないでしょうか。例えば、海外で大活躍した中田英寿さんは、ヘディングによる影響を危惧して、あまりヘディングを積極的にやろうとはしなかったそうです。しかし、それでも世界のトップレベルまで上り詰めました。多少の注意を促すことは大切だと思いますが、子供が大好きなスポーツをやりたいと言ったのであれば、是非その気持ちを尊重してあげて欲しいと思います。

AUTHOR'S PROFILEコラム執筆者のプロフィール»記事一覧へ

Semimiddle rectangle 1448793143 %e3%83%ad%e3%82%b4%e9%95%b7%e6%96%b9%e5%bd%a2
  • マイボ運営事務局
  • それぞれの子供達に合った最適なクラブを提案すること、日本各地に点在する優秀な指導者を紹介すること、これらを目標にマイボ運営事務局はメディア運営していきます。

RECOMENDあなたにおすすめのコラム

  • Large square 1448785745 article news3

    8人制サッカー移行により生まれたメリット・デメリット

    少年少女サッカー選手の保護者であればご存知とは思いますが、2011年より全日本少年サッカー大会に8人制サ...

    »続きを読む
  • Large square 1448785854 article special4

    指導者が思うサッカーの「楽しさ」とは【:崎野聡コーチ】

    各年代において「楽しさ」は不可欠な要素である。 「楽しさ」とは一体何を指すものか。「楽しさ」とは、...

    »続きを読む
  • Large square 1448785997 article %e7%9c%9f%e5%ae%9f%e6%94%b9

    「転ぶ時に手が出ない子が増えた」は何故か【崎野コーチ】

    今回はキッズについて書きたいと思います。キッズとは主に幼児期・3~5歳の子どもたちのことを指します。私は...

    »続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加