ゴールデンエイジ(9歳~12歳)にサッカーをやれば上手くなるは間違い?

ゴールデンエイジ(9歳~12歳)にサッカーをやれば上手くなるは間違い?

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「ゴールデンエイジ」という言葉が日本でも広まって久しいですが、ゴールデンエイジをどのように捉えるかという点において大きな個人差があるようです。

まずはゴールデンエイジがどのように研究されているのかを、考えて見ましょう。

スキャモン発育曲線から見るゴールデンエイジ

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上図が、「スキャモン発育曲線」です。この曲線が意味するのは、以下の通りです。

<スキャモン発育曲線とは>

子供は成長過程で器官や機能が別々に発達します。この影響で、同じテクニックでも、時期によって習得率が変わってきます。つまり、最も吸収しやすい時期に、その課題を与えるべきです


スキャモン発育曲線を見ると、「神経型」の線が3歳~12歳で急激に成長しているのが分かります。「神経型」の「神経」とは、俗に言う運動神経の「神経」とほぼ同義です。この時期に、運動神経が張り巡らされ、大人になっても失わないほどの高い習得を実現できます。

プレゴールデンエイジとポストゴールデンエイジ

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ここまでの理解だと、3歳~12歳のゴールデンエイジに集中的に練習すれば良いのかと考えてしまう方が多いようです。しかし、実際はそこまで単純な話ではありません。

この「ゴールデンエイジ」と呼ばれる時期は、大きく分けて3つの段階があります。


<プレゴールデンエイジ(3歳~8歳)>

「神経型」が最も大きく成長する時期。しかし、余りに急激な成長であるため、身体や感覚と噛み合わないことが多い。内的に成長していても外的もしくは心的な成長が追いつかず、むしろぎくしゃくしてしまうことも多い。

<ゴールデンエイジ(9歳~12歳)>

この時期が最もバランス良く習得した技術をものに出来る時期。そのため、一般的に9歳から12歳をゴールデンエイジと呼ぶことが多い。

<ポストゴールデンエイジ(13歳~14歳)>

全ての内的な成長が9割方止まり始める時期。一方で、身体は成長し続けるので、プレゴールデンエイジとは逆の理由でぎくしゃくしてくる。つまり、思っているよりも身体が成長しているので、神経と噛み合わなくなるのだ。


このように、一口にゴールデンエイジと言っても、これだけ複雑な状況が関わってきます。これは一概に「ゴールデンエイジにサッカーをやればいい」と考えることが間違っていると言える一つの理由です。

ゴールデンエイジの個人差

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小学校の時の背の順を思い浮かべてください。あの時期に、背が高い子と背が低い子が、中学生になって大きく序列が変わっていたはずです。子供の成長は凄まじいので、本当に1年で見違えるほど大きくなったりするものです。

このような個人差が、ゴールデンエイジと無関係なはずがありません。例えば、6歳でプレゴールデンエイジが終わる子もいれば、同じ6歳にプレゴールデンエイジが始まる子もいるのです。

「うちの子は10歳までサッカーやってないからもう遅いかな」

と、思うのは早計です。まだまだ充分に可能性はあるでしょう。ゴールデンエイジの個人差は4歳前後はあると言われています。成長が遅い子であれば、10歳でも充分に急速な成長が見込めるのです。

この個人差も、「ゴールデンエイジにサッカーをやればいい」が必ずしも正解ではない理由となります。

現場のサッカー指導者はゴールデンエイジをこう捉える!

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スキャモンの発育曲線から考える「ゴールデンエイジ」は机上の話であることをまずは理解するべきでしょう。真に受けて、無闇にサッカーをやらせると、最悪の場合は不適切な時期に不適切な練習をすることになりかねません。

現場のサッカー指導者こそが、最もこの辺りの最適な理解をしているものです。そこで、地域サッカーチームの監督に聞いてみました。

「ゴールデンエイジの境目には必ず『壁』が存在します。それを見極めて、適切な練習を行っていきます。」

つまり、プレゴールデンエイジ/ゴールデンエイジ/ポストゴールデンエイジの間に壁があるので、そこで個人差を見極めるということなのでしょう。実際、これが最も有効なゴールデンエイジの捉え方であるように思います。

ゴールデンエイジではテクニックよりもイマジネーション

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では、具体的にどのように練習させるのかも、現場の指導者に聞いてみました。

「『神経型』が発達している時期にテクニックを教えようとする監督は多いですが、私はイマジネーションと思考を重視しています。テクニックを教えても、それが実践で使えるものになっていなければ意味はありません。大人にとっては大層なテクニックであっても、子供にとっては単なる反復練習だったりするのです。反復練習はほぼ筋トレと変わらないので、ゴールデンエイジに必要な練習ではなくなってしまいます。一方で、イマジネーションと思考は、この時期こそ習得するべきものだと思っています。サッカーの原理に基づくイメージを持っていれば、後々で身体が成長すれば自然と出来るようになるものです。しかし、イメージが無ければ、身体が成長しても何も出来ないのです。」

現場の監督ならではの鋭い分析だと思います。サッカーを学ばせる際は、その時に大層なテクニックが出来るかどうかではなく、サッカーに関連したイマジネーションと思考を身につけさせることができれば、将来のJリーガーも夢ではないかもしれませんね。

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